枯葦かれあし)” の例文
天気のよい暖かい日には、画板がばんと絵の具とをたずさえてよく野に出かけた。稲木いなぎはんの林、掘切ほっきり枯葦かれあし、それに雪の野を描いたのもあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
僅か二三間先きに、枯葦かれあしの茂みを抜いて立っているくいがあって、それに鴉が一羽いちわ止まっている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
枯葦かれあしの間の処々ところどころにトラホームの瞳に似たかすかな光りを放っていた。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)