東上総ひがしかずさ)” の例文
関東では東上総ひがしかずさ布施ふせという村の道の傍にも、幾抱えもある老木の杉が二本あって、その地を二本杉と呼んでおりました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
内田邦彦くにひこ君の『南総之俚俗なんそうのりぞく』の中に、東上総ひがしかずさ本納ほんのう辺の慣習として、鬼子が生まれると歳神様としがみさまへ上げた棒でたたくとある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
太平洋に面した東上総ひがしかずさの村々で、クラッコ鳥といっているのも、やはりこの郭公のことであったらしい。
東上総ひがしかずさ小高おだか、東小高の両部落では、昔から決して大根を栽培せぬのみならず、たまたま路傍みちばたに自生するのを見付けても、驚いて御祈祷きとうをするくらいでありました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
テノコ 千葉県東上総ひがしかずさ方面では糠をテノコという(千葉方言)。おそらくは籾殻だけをヌカといっていたので、いわゆる粉糠には別にこういう名が入用だったのであろう。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その形がこいの頭に似ているからコヒグチと東京では謂い、東上総ひがしかずさではブタグチとも謂っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこを最初にくるくると廻り植えする風は、東上総ひがしかずさの海沿いだけの奇習ではなかった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)