杜子美としび)” の例文
翁曰、貫之つらゆきの好める言葉と見えたり。かやうの事は今の人の嫌ふべきを、昔は嫌はずと見えたり。もろこしの詩にも左様のためしあるにや。いつぞや丈艸の物語に杜子美としびに専ら其事あり。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
杜子美としびと云えば云うまでもなく、盛唐一、二の大詩人であるから、その詩集は金玉の佳什かじゅうで埋っているかのように思う人もあろうが、その実駄作も随分あるというは苦労人間の定説であるとの話だ
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
孔明をしょうした後人の詩は多いがこれは代表的な杜子美としびの一詩である。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
延寿王院(神宮寺といふ)に入りて菅公真蹟を拝観す。双竪幅さうじゆふく。「離家三四年。落涙百千行。万事皆如夢。得々仰彼蒼。」〔此詩は杜子美としびの詩にして、誤て文草に入れたる論林羅山文集に見えたり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
杜子美としびが歌ったような事にでもならなければよいが……』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)