杓文字しゃもじ)” の例文
すると、その言葉が何か魔除まよけの呪文じゅもんででもあったかのように、塀の上の目鼻も判然としない杓文字しゃもじに似た小さい顔が、すっと消えた。跡には、ゆすら梅が白く咲いていた。
春の盗賊 (新字新仮名) / 太宰治(著)
銅壺どうこの湯をして、杓文字しゃもじで一つ軽くおさえて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)