朝食あさげ)” の例文
朝食あさげ仕果てゝ心静かに渋茶を喫みつゝ、我は猶胴梁に凴つて限り無き想ひに耽る。詩趣来ること多くして、塵念生ずること無し。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
六五うつつならましかばと思ふ心の六六いそがしきに、朝食あさげも打ち忘れて六七うかれ出でぬ。
百姓屋の軒毎のきごとに立つる朝食あさげの煙は
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
朝食あさげの皿は注ぎたり
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
やがて退まかり立ちて、ここの御社のはしの下の狛犬も狼の形をなせるを見、酒倉の小さからぬを見などして例のところに帰り、朝食あさげをすます。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)