書下かきおろ)” の例文
あの『綴合於伝仮名書とじあわせおでんのかながき』というのは、いつだったかねえ、お伝の所刑しょけいは九年ごろだったから——十一、二年ごろに菊五郎ごだいめ河竹黙阿弥かわたけもくあみさんに書下かきおろしてもらって
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
泉先生の『婦系図』のなかに「湯島の境内」という一ト幕が書下かきおろされたからである。
上野界隈 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
『三題噺魚屋茶碗』というしばいは序幕の「両国船中の場」と「同西河岸の場」とだけ……ということは『時鳥水響音ほととぎすみずにひびくね』としてはじめに書下かきおろされた部分だけ……が有名であとから書足された二幕目以下は上演される機会もすくなく人気にも乏しい。
上野界隈 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)