暑気しょき)” の例文
「何しろこの暑気しょき。それに、風の通さぬ張物の中。はっきりしたことは申しかねるが、まず、ざっと今から二刻ふたときから二刻半ふたときはんぐらいまでの間……」
富「どう致しまして、腹痛でございますから押えて少しこゞんでおりましたが、暑気しょきあたっておりますので、せんから瓜の皮はありますが、取りは致しませぬて」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だ、だん。なにをとんでもねえこと仰っしゃって。あっしゃあ、ごらんの通り、この夏の暑気しょきあたりで、うんうん、高い熱で唸って寝ている始末じゃござんせんか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頭がいたくてね、暑気しょきに負けたのだろう。信州のあの温泉、あのちかくには知ってる人もいるし、いつでもおいで、お米持参の心配はいらない、とその人が言っているんだ。
おさん (新字新仮名) / 太宰治(著)
ならざるをえないほど俺は身体がひどく大儀だったが、暑気しょき当りかなと思っていた。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)