晴耕雨読せいこううどく)” の例文
幸にして、一月半の後、私は東京にかえり、晴耕雨読せいこううどくというか、植木をいじったり、本を読んだり、時にはを打ったりして外観上平静に生きた。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「君子のことばに、晴耕雨読せいこううどくということがある。雨の日にはよく書物に親しんでおられるから、君子の生活を実践しておられるものだとおれは思うが」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風摩の一族が伊豆のひじり山で晴耕雨読せいこううどくの簡素な生活をしていたのは、永禄のほんのはじめごろまでのことで、当今はそれぞれ大名小名の手について抱軍師かかえぐんしに成上り
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
昔からかかってる晴耕雨読せいこううどくの額も怪しく蜘蛛くもの巣が見える。床の間にはたたんだ六枚折りの屏風びょうぶが立てかけてあって、ほかに何やかやごてごてと置いてある。みえも飾りもないありさまである。
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「今日、いささか所信を述べたのは、先頃からの失礼を詫びる寸志のみです。——朝夕お側にいるわけにはゆきません。自分はやはり分を守って、ここに晴耕雨読せいこううどくしていたい」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
晴耕雨読せいこううどく——その文字どおりに。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)