昵近じっこん)” の例文
一言いちげんにしてくせば、自分の昵近じっこんな人の間に何か不吉なことがあると、それが必らず前兆になって現われる。いかなる前兆となって現われるかというに叩く音!
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
野幇間のだいこの奇月の仲人で、新たにお滝という召使を雇い入れ、その御披露やらお祝やらを兼ねて、通人出雲屋岩太郎が、日頃昵近じっこんにして居る友達や、お取巻の面々を、小梅の寮に招き
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その禅師の君と、その話を持ち出した女房とが昵近じっこんの仲だったのである。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ある時二人は城下はずれ等覚寺とうかくじという寺へ親の使に行った。これは藩主の菩提寺ぼだいじで、そこにいる楚水そすいという坊さんが、二人の親とは昵近じっこんなので、用の手紙を、この楚水さんに渡しに行ったのである。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)