明々あか/\)” の例文
灯は明々あか/\と壁をれ、木魚もくぎよの音も山の空気に響き渡つて、流れ下る細谷川の私語さゝやきに交つて、一層の寂しさあはれさを添へる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
街路は八分通り蔭つて、高聲に笑ひ交してゆく二人の、肩から横顏を明々あか/\と照す傾いた日もモウ左程暑くない。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
明々あか/\と照らしてゐる爐棚の上の燭架の光で彼を見ながら——彼は火に近々と引きよせた肱掛椅子にかけて
そしてもう、暮れない内から二階にも階下にも明々あか/\ともされた。臺所は手落なく綺麗に整頓された。ハナァも私も着物を着換へた、用意はまつたく出來上つてゐた。