昆虫むし)” の例文
旧字:昆蟲
その音が、この小さな島の中の、禽鳥とり昆虫むしを一時に飛び立たせて、遠い海中わだなかに消えて行きました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その癖おそろしく素敏すばしっこい昆虫むしめが、とても我慢が出来ないほどチクチクと彼のからだすものだから、手を一杯にひろげて彼は螫された箇所ところをポリポリ掻きむしりながら、思わず
それらの物像もの背後うしろにして、痩せた、身長せいの高い左門が、左手に刀を持ち、その拳を腰の上へあて、右手の拳も腰の上へあて、昆虫むしが飛び足を張ったような形で、落ち着きはらって立っている姿は
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)