日済ひなし)” の例文
旧字:日濟
そうあなた様のように生真面目きまじめに出られては御挨拶に困ります、苦労にも幾通りもあるのでございます、日済ひなしの催促で苦労するのも苦労でございます
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
吝嗇者りんしょくもの日済ひなし督促はたるように、われよりあせりて今戻せ明日あす返せとせがむが小人しょうじんにて、いわゆる大人たいじんとは一切の勘定を天道様てんとうさまの銀行に任して、われは真一文字にわが分をかせぐ者ぞ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
鬼の女房に天女だけれど、今日こんにちぢや大きに日済ひなしなどを貸してゐるかも知れん。ええ、貴様、そんな事をしちや可かんよ。けれども高利貸アイスなどは、これでかへつて女子をんなにはやさしいとね、間、さうかい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あんなのが出来たために日済ひなしの寄りの悪いこと。いったい役人が何をぐずぐずしているんだろう、いちいちくくり上げて牢へぶち込むなり、首を斬るなりしてしまえばいいのだ
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「馬鹿、日済ひなしを集めに行って来い」