旁〻かた/″\)” の例文
支倉が当時横浜市の聖書会社に勤め、聖書販売旁〻かた/″\伝道の為め小坂鉱山に参り、教会にいました信者の世話で親が結婚の約束をしたのです。私は十九歳でした。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
即時に押寄せられるでござろう、因って思うに、筋なき事を取り持って石田がさま/″\に讒言ざんげんいたすとも、殿下はあながち彼等の言をお信じになっていないのである、旁〻かた/″\此の場合は
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
旁〻かた/″\以て不審に存ずる、斯程の道理をわきまえぬ其方とも思わなんだが、と、苦々しそうに仰っしゃりますのを伺いまして、背中より冷汗を流しまして、たゞもう恐れ入ったのでござりました。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それに河内介の態度が今夜に限って仔細しさいらしく糞真面目くそまじめなのも、何かいわくがありそうで、旁〻かた/″\彼女たちには、本気か冗談か分りかねた。「首になった道阿弥」も、その点は彼女たちと同じであった。