方附かたづ)” の例文
氷峰は渠に義雄を紹介してから、渠に斷わつて、勝負の方附かたづくまで碁をつづける。呑牛はにこにこ笑ひながら、二人の戰ふのを見てゐる。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
綾子刀自が大隈家へ方附かたづかれたのが、初縁でないのであるから、もし、ひょっとそういうことを私の口から口外しては、と遠慮を致したわけでありました。
この大火が方附かたづいてから、あの本願寺の門の前を通ると、駒形堂が真直に見えました。そうして、大河おおかわの帆掛け舟が「そんな大火があったかい」といったように静かにすべって行くのが見えました。