新湯あらゆ)” の例文
翌朝強力ごうりきを雇って宿を出発したのが七時。これからいよいよ高原越え、元気はますます加わる。塩原古町ふるまちから一里ほど人里放れた山の中を行くと新湯あらゆに出る。ここらでチョイトひと休み。
新湯あらゆが流れ出る柱の湯口へかゝるには順番の規則があつてみな四方の浴槽の羽目に背中をへばりつけ一列に並んで順番の来るのを待つた。天下泰平を象徴さすにはこの図を写したらよからう。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
起きぬけに新湯あらゆにひたり恙なし両手張りのべ息深うをり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)