新居あらい)” の例文
新居あらい崎だろうという説もあり、また近時、今泉氏、ついで久松氏は御津みと附近の岬だろうと考証した。)「棚無し小舟」は、舟の左右のげんに渡した旁板わきいた(枻)を舟棚ふなたなというから
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
東海道では箱根と新居あらい(遠州)に関所があった。関所は幕府で厳重に守らせたものであるが、既に勤仕している武士となれば、手数はかからぬのであるが、女子供を連れると面倒であった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
遠州新居あらい筒山船つつやまぶねに船頭左太夫以下、楫取かじとり水夫かこ十二人が乗組んで南部へ米を運んだ帰り、十一月末、運賃材木を積んで宮古港を出帆、九十九里浜の沖合まで来たところで、にわかの時化しけに遭った。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)