擡上もちあ)” の例文
機会を待構えていた実業上の野心は忽ちムクムクと頭を擡上もちあげて食指俄に動くの感に堪えなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ようやく復活して頭を擡上もちあげ掛けると、たちまた地震のためにピシャンコとなってしまったから、文壇の山本伯というはこけの下の二葉亭も余りありがたくないだろうが、風丰ふうぼうが何処か似通にかよっている。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
語学の研究のため露西亜文学を渉猟ししてから何時いつにか露国思想の感化を受けると同時に、それまで潜在していた文学的興味、芸術的意識が俄に頭を擡上もちあげて来て当初の外交官熱が次第に冷め
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)