掖門えきもん)” の例文
さっきからその高氏は、掖門えきもんろう床几しょうぎをおいて、内苑ないえんの梅でも見ている風だったが、ふとぎりかけた部将の佐野十郎へ、こう呼びかけた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大内裏の外郭がいかくをなす十二の門のほかに、べつに掖門えきもんとして、上東門院と、上西門院とがある。王城の森の北端、殷富いんぷ門の先に見えるのが、それである。
彼も去り、高氏も床几を立って、ふと掖門えきもんの梅の下に立ったときである。やっと六波羅の使いが見えたらしく、彼方から兵に案内されて来る者があった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の報に、義貞も幕僚たちと共に掖門えきもんの外に立って海上を眺めていたが
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)