抒情詩ぢよじやうし)” の例文
彼はその仮綴かりとぢの処女詩集に『夢みつつ』と言ふ名前をつけた。それは巻頭の抒情詩ぢよじやうしの名前を詩集の名前に用ひたものだった。
詩集 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かういふ水上生活者の夫婦位妙に僕等にも抒情詩ぢよじやうしめいた心もちを起させるものは少ないかも知れない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕の彼等を忘れたのは必ずしも僕に内在する抒情詩ぢよじやうし的素質のりない為ではない。むしろハンケチに汗をふいたり、夏帽子を扇の代りにしたり、爍金しやくきんしよと闘ふ為に心力しんりよくを費してゐたからである。
鷺と鴛鴦 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
手風琴てふうきんの町、さようなら、僕の抒情詩ぢよじやうし時代。
軽井沢で (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)