手裡しゅり)” の例文
といわれたので新吉が声をのむと、そのとたんに、弦之丞の手裡しゅりを離れた小柄こづかが、キラッ——と斜めに闇をって行った。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とんと、膝を落すとともに、彼の手裡しゅりには白い十手が隠れた。——が、途端に、女も感覚的にくるりっと振り向いて
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、加山耀蔵は、思わずうわずッた声を上げて、波越の姿をふりかえった。波越は、隠していた十手を手裡しゅりにつかんで、はやぶさのように、肩を落して、走り出している。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とうとするや、また投げとばされ、すでに手裡しゅりになかった棒は、王進の手に移っていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いている手裡しゅりにかくしてつかんでいます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)