所択ところえら)” の例文
腰をおろした三人は突き当りの右側に、窓を控えて陣を取る。肩を動かした糸子の眼は、広い部屋に所択ところえらばず散らついている群衆を端から端へ貫ぬいて、はるか隔たった小野さんの横顔に落ちた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)