所夫おつと)” の例文
上略当夜お良は所夫おつとの身に怪我過ちのあらざるやうにと神に祈り仏に念じ独り心を痛めしが、やがて龍馬は一方を切抜け逃去りしと新撰組の噂を聞きすこしは安心したけれども
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
そこで女は、とやかう思案を煎じつめた挙句、「ままよ」とつぶやいたかと思ふと、さきにその所夫おつとから預けられて、問屋場へ持つて行くべき、少なからぬ、なにがしといふ金を懐中ふところから取り出した。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)