をさ)” の例文
いまだ浹辰せふしんを移さずして、氣沴きれいおのづから清まりぬ。すなはち牛を放ち馬をいこへ、愷悌がいていして華夏に歸り、はたを卷きほこをさめ、儛詠ぶえいして都邑に停まりたまひき。
今までヱネチアへ、ヱネチアへと呼びし意欲は俄にあとをさめて、一種の言ふべからざる羞慚しうざんの情生じ、人の汝は何故に復た來れると問はゞ、辭の答ふべきなからんと氣遣ふやうになりぬ。
ある微妙な均衡の上に 翼ををさめて はかりのやうに搖れてゐた
南窗集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)