“戛(か)” の例文
闇の中で、時々、戛(か)つ、戛つ、と何か蹴るような響きがするので、武蔵は、時々、はっとわれに返るような眼をみはった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戛(か)つと五、六騎がどこかで留まった。一群の甲冑はすぐこっちへ駈けて来た。玄蕃允をめぐって、各〻、坐態のまま眠っていた幕僚たちは、くわっと、すぐ眼を外へ向けて
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戛(か)っ! とばかり、たった一度、双方の白刃が摺(す)り合ったかと思うと、天堂一角の姿は、忽然(こつぜん)としてそこらにあらず、弦之丞のすぐ側の樹(き)に、どこから飛んできたのか、一条(すじ)の捕縄(とりなわ)が
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蹌(よろ)めき立つところを、一閃(いっせん)、戛(か)ッと横に払って
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)