我空がくう)” の例文
宗教において「大我」と云い「超我」と云い、「没我」と云い「忘我ぼうが」と云い、また「我空がくう」と云う。すべてこの理想を追う種々なる言い現しである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
我空がくう」は仏説であった。亡我の境こそは浄土である。器に見らるる没我ぼつがは、救われているしるしである。救われたる器、それをこそ美しき作と呼ぶのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
信仰に活くる者は体験したであろう、いかなる意味で宗祖たちが、厚く「我空がくう」を説き「無念むねん」を説いたかを。我執がしゅう有想うそうとは信仰にとっての二つの敵であった。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)