成長しとな)” の例文
たまに捨吉が小父さんの使として訪ねて行って見ると、最早結い替えた髪のかたちをじらうほどの人に成った。そろいも揃って皆急激に成長しとなって来た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一頃は弘もよく引付ひきつけたりなどしたが、お婆さん始め皆の丹精たんせいでずんずん成長しとなって、めっきりと強壮じょうぶそうに成った。おまけに、末頼もしい賢さを見せている。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
唯彼は妹と違って、腹違いの弟妹きょうだいがズンズン成長しとなって行くところを黙っててはいられなかった。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あんなに着物が短く成っちゃって——もうズンズン成長しとなるんですもの」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
少年は細い瘠せた、曲藝の爲に成長しとなれないやうな身體をして居ました。