慷慨淋漓こうがいりんり)” の例文
ドノバンも富士男も賛成さんせいした。一同はうちつれて山田左門の墓にもうで、ゴルドンの慷慨淋漓こうがいりんりたる弔詞ちょうしのもとに礼拝らいはいをおわった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と四人は少しくたびれを感じたが、三位卿の話には、いちいちこの慷慨淋漓こうがいりんりが必要であった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
極めて安心に極めて平和なる曙覧も一たび国体の上に想い到る時は満腔まんこうの熱血をそそぎて敬神の歌を作り不平の吟をなす。慷慨淋漓こうがいりんり、筆、剣のごとし。また平日の貧曙覧に非ず。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
勝安房守が二条城で任官して後のこと、近藤勇と、土方歳三の二人が、慷慨淋漓こうがいりんりとして、二条城の天主台の上に立って、洛中洛外の大観を見澄ましておりましたが、やがて近藤が言うことには
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)