愛杖あいじょう)” の例文
さらぬだに、久しく振ってみなかったかの鋼鍛はがねぎたえ重さ六十二斤の鉄の愛杖あいじょう。それを取るや、酒のえんを離れていった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけを訊くと、杖は、使用したことはないが、亡夫春水の愛杖あいじょうであるという。そして、こんどの上京には、父にかわって、襄を打って意見をするつもりだと話した。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)