惨虐さんぎゃく)” の例文
旧字:慘虐
頭領かしらの四郎でさえ手を下し得ない惨虐さんぎゃくをこの男は平気でやる、また、どんな、警固かためのきびしいやかたでもこの小男は忍び込むのに困難を知らなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
市中の上下は、その惨虐さんぎゃくなる殺人者の何者であるかを揣摩しまして、盛んに役向やくむきを罵りました。役向を罵るばかりでなく、おのおの進んで辻斬退治のために私設の警察を作ろうとしました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
みんなは、悪漢どもが島に滞在たいざいしていることを知らないのだ。凶悪無残きょうあくむざん海蛇うみへびら! かれらはどんな惨虐さんぎゃくな行為を一同の上に加えるだろう、早くげなければならない、どうあっても死なれない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)