悒欝ゆううつ)” の例文
が、悒欝ゆううつではない。僕達の特務とくむも、このたびが仕納しおさめだと思うと、湧きあがってくる感傷かんしょうをどうすることも出来ないのであろう。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その中に悒欝ゆううつ的論派とも言うべき慷慨民権派は実に薩摩なる西郷氏を欽慕するものに係る
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
忌わしい翳が、又黒吉を悒欝ゆううつの底に押戻した。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
僕は四宮理学士が先刻さっき言った言葉を思い出して、悒欝ゆううつになった。それにしても四宮氏は二階に居ないのかしら。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)