恢復とりかえ)” の例文
「頭が痛む。……体が痛む。……訳がわからない。……どうしたのだろう?」半分なかば意識を恢復とりかえした中で山県紋也はこう思った。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
潤沢うるおい緊張しまりもないお銀の顔色は、冬になると、少しずつ、見直して来たが、お産をするごとに失われて行く、肉の軟かみと血の美しさは恢復とりかえせそうもなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
併し最初の此不幸は、意外な物の救助たすけに依って、不思議にも恢復とりかえす事が出来た。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
父の信用を恢復とりかえせそうなのと、母親に鼻をあかさせるのが、気色きしょくが好かった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)