微明うすあか)” の例文
と、背後うしろのほうで恐ろしい声がした。走りながら揮り返って見ると、二人を追っかけて来る鬼婆の手を拡げた姿が微明うすあかりで路の上に小さく見えている。
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
学生は微明うすあかるい霧の中に顔を見せた。其の学生の口の周囲には、微赤いどろどろした物が附いていて、それがために口が耳の根まで裂けているように見えた。
死体を喫う学生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)