“御藤”の読み方と例文
読み方割合
おふじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこにまた御藤おふじさんという娘があって、その人の容色きりょうがよくうちのものの口にのぼった事も、まだ私の記憶を離れずにいる。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御藤おふじさんは昔健三に向って、自分の夫を評するときに、こんな言葉を使った。世の中をまだ知らない健三にもその真実でない事はよく解っていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし最も悪いのは御藤おふじさんであった。「あいつが」とか「あの女が」とかいう言葉を使うとき、御常は口惜しくって堪まらないという顔付をした。眼から涙を流した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)