御番頭ごばんがしら)” の例文
公儀御書院番を送ったあとには、大坂御番頭ごばんがしらの松平兵部少輔ひょうぶしょうゆう肥前平戸ひぜんひらどの藩主とを同日に迎えた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かせ、供の侍を、二十人も連れて通りなさる。——今では大坂城の京橋口に御番頭ごばんがしらとして詰めてござるが、順慶堀の川ざらいには、土をかついでござった牢人衆であったに
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二年前に亡くなられて、當代は安倍丹之丞樣、お若いが、先代にまさるとも劣らぬ智惠者で喃、早くも御役附、御小姓組御番頭ごばんがしらに御取立、御上の御用で半歳ほど前から駿府すんぷへ行つて居られる。
そうは行かないお金なんです。父の落度のために、その旗本の御主人も、御番頭ごばんがしらやら同役のお方たちから、千何百両という大金を立て替えていただいて、一時、公儀のお帳面の表を
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)