御心算おつもり)” の例文
吾妻は微笑ほゝゑみつ「なに、郷里へ一寸ちよつと帰つただけのです、今晩あたり多分帰京かへつた筈です、で、罪名は何とする御心算おつもりですネ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
が、大殿樣の思召しは、全く車を燒き人を殺してまでも、屏風の畫を描かうとする繪師根性のよこしまなのを懲らす御心算おつもりだつたのに相違ございません。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、大殿様の思召しは、全く車を焼き人を殺してまでも、屏風の画を描かうとする絵師根性のよこしまなのを懲らす御心算おつもりだつたのに相違ございません。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「まあ、憎らしい事ばかり仰有おっしゃいます。ではもう始めからわたくしを、御捨てになる御心算おつもりでございますか。」と、優しく若殿様を御睨おにらみなさいました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「これは、驚いた。ゾイリアを御存知ないとは、意外ですな。一体どこへおでになる御心算おつもりか知りませんが、この船がゾイリアの港へ寄港するのは、余程前からの慣例ですぜ。」
Mensura Zoili (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)