御寝おやすみ)” の例文
旧字:御寢
それから、御寝おやすみになったらしいので、旗太郎様が寝室の壁にあるテレーズの額をはずして、伸子さんと二人でお持ち帰りになりました。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「御早う」と慇懃いんぎんに礼をした。「先刻さっき御誘い申そうと思いましたが、よく御寝おやすみのようでしたから、失礼して一人参りました」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただそこここと見廻しているばかりでしたが、「モット側へおより」と徳蔵おじにいわれて、オジオジしながら二タ足三足、奥さまの御寝おやすみなってるほうへよりますと
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
「さうして奥のお鉄瓶てつも持つて来ておくれ。ああ、もう彼方あちら御寝おやすみになるのだから」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)