御仁体ごじんてい)” の例文
それが一向判りません、全くの振りのお客で。それに、こんな場所へは滅多にいらっしゃりそうもない御仁体ごじんていでしたが、御帰りの時は大層な御奮発で、女中に一ずつ祝儀を
作家の魂という仮想なしに御仁体ごじんていに直面してゆくことは、文学の経験として大変いいわね。
ドンナに見上げても見下しても家屋敷を買おう……なんていう御仁体ごじんていでない事を自覚していた吾輩は、内心ヒヤヒヤしながら拾い物のステッキをななめに構えて、バットの煙を輪に吹いて見せた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そうでもしなければ、少し極りのわるい御仁体ごじんていだよ」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)