徒手空拳としゅくうけん)” の例文
大いに南をはからんといい、自分は徒手空拳としゅくうけんをもって、天下の新人を糾合きゅうごうし、時代の革新を策さんといい、大いに笑ったこともあったが
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徒手空拳としゅくうけんとも云い、また孤立無援とも云います。若しも私が健気けなげな少年であったならば、私はいまもっと誇りに満ちた心を示すことも出来得たでしょう。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
徒手空拳としゅくうけん、南洋の島へおしわたって、今日こんにちの成功をおさめたほどの快男児ですから、この人さえ帰ってくれたら、家内のものは、どんなに心じょうぶだかしれません。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ドイツ人が夢想する新極北島アイランド・アルクチス徒手空拳としゅくうけんで実現しようとした折竹の快挙談。氷冥郷ひょうめいきょうをあばく大探検にともなう、国際陰謀と美しい情火のもつれを……。さて、彼に代ってながながと記すことにしよう。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし徒手空拳としゅくうけんとはまったくこの三人のことだった。しかも志は天下にある。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)