後込しりご)” の例文
甚吉 一揆の加担人かとうどか。こんな時、下手まごつくと首が飛ぶし、それかというて、後込しりごみしとると一揆からひどい目にあうしのう。
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「さりとは無念な。わしが不断から武芸を指南するのも、こういう時の用心ではないか。よしよし、貴公らが臆病に後込しりごみしているなら、この左内が自身で行く」
七兵衛は、そこで、ちょっと黙ってしまったのは、むろん後込しりごみをしてしまったものと兵馬はあきらめ、いっそこんなことをいわない方がよかったと思っていると、七兵衛は率直に
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)