往来中おうらいなか)” の例文
春「此間こないだは何を云うにも往来中おうらいなかで、くわしい話も出来なかったが、助右衞門の死骸はどうしたえ」
見れば一つの提灯ちょうちんが、往来中おうらいなかから飛んで来て、道庵の頭へぶッつかって、この始末です。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
往来中おうらいなかで舞をなさるような先生ではなし、これはと思っていますところへ、ようござんすか、いま申しました大島流の槍の一筋——先生の背後うしろからたてとおれと——あたしはもう
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こいつは少々駈引かけひきがあると米友がその時に思いましたのは、ほんとうに斬る気ならば前触まえぶれはないはずである、ところが刀を往来中おうらいなかへころがして置いて、文句をつけに出るのだから
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)