彫跡ほりあと)” の例文
老婢が気を附けて、しなびぬやうにと井戸端の水桶の中に、私の燈籠は前夜もその前夜も入れられてあつたのですが、それにも関らず青白かつた彫跡ほりあと錆色さびいろを帯び、青い地は黒い色になつて居るのです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)