彦徳ひよつとこ)” の例文
へそで煙草を吸はせて、お尻に彦徳ひよつとこの面を冠せて、逆立ちになつてかつぽれを踊つて、婆ア藝者のお粂とけんを打つて、ヘトヘトに疲れると、お燗番かんばんの周助にねだつて
八五郎はそれつ切り顏を見せず、彦徳ひよつとこの源太に呼出される前、一應の注意をして置くべきであつたと思ひましたが、その運びもつかぬうちに、夜は次第に深くなります。
「あつしも直ぐさう思ひましたよ。あの彦徳ひよつとこの源太の野郎が、可哀さうに十三や十四の若樣をさそひ出したんぢやあるまいかと、大瀧も鼠坂も見ましたが、影も形もねえ」
御用金の二千兩はお鳥の部屋の中から發見され、お鳥は彦徳ひよつとこの源太の姿のまゝ繩に打たれました。
顏はまさに繪に描いた彦徳ひよつとこそのまゝ——素顏はそんな變な男ぢやありませんが——と八五郎の辯解がなかつたら、鼻の下に青黛せいたいを塗つて、豆絞りの手拭を冠つたこの男の顏を