当麻語部たぎまかたり)” の例文
旧字:當麻語部
何処からか吹きこんだ朝山おろしに、御灯みあかしが消えたのである。当麻語部たぎまかたりうばも、薄闇にうずくまって居るのであろう。姫は再、この老女の事を忘れていた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
何処からか吹きこんだ朝山おろしに、御あかしが消えたのである。当麻語部たぎまかたりの姥も、薄闇に蹲つて居るのであらう。姫は再、この老女の事を忘れてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
荒々しい声と一しよに、立つて表戸と直角かねになつた草壁の蔀戸しとみどをつきあげたのは、当麻語部たぎまかたりおむなである。北側に当るらしい其外側は、牕を圧するばかり、篠竹が繁つて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)