張子房ちょうしぼう)” の例文
カランが、無証事件を変じて有証事件となし、法網をくぐろうとした横着者を法網に引き入れた手際てぎわは、実に法律界の張子房ちょうしぼうともいうべきではないか。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「拙者自身を高祖に引くは、あたらぬもまた甚だしいもの。しかし貴殿だけは張子房ちょうしぼうでござる」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「拙者ごときの類ではありません。——それを今日の人物と比較することは困難で、古人に求めれば、周の太公望たいこうぼう、漢の張子房ちょうしぼうなどなら、彼と比肩ひけんできるかもしれませぬ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「否々。あの孔明が何でみだりに自己を過分に評価しよう。わしからいわせれば、周の世八百年を興した太公望たいこうぼう、或いは、漢の創業四百年の基礎をたてた張子房ちょうしぼうにくらべても決して劣るものではない」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貴様は我が張子房ちょうしぼうである」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)