弛緩しくわん)” の例文
「うん」とこたへただけであつたが、その樣子やうす素氣そつけないとふよりも、むし湯上ゆあがりで、精神せいしん弛緩しくわんした氣味きみえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、その緊張した感じと前後して、一種の弛緩しくわんした感じが——云はば、来る可きものが遂に来たと云ふ、安心に似た心もちが、通りすぎた事も亦争はれない。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)