弄殺ろうさつ)” の例文
地上二十億の生霊を弄殺ろうさつしつつある『脳髄の大悪呪文』を焼き棄てる一本の燐寸棒マッチぼうに外ならなかったのだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
自然は又自然で、小ざかしい人間の企図を思うまま弄殺ろうさつしてやろうと決心したかのように、時には、うなりをたてて疾風を送り、時にはけろりと静まって、まるで傍観しているような様子を示す。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)