廊道わたどのみち)” の例文
烟は廊道わたどのみちに滿ちたり。われは又叫ぶに似て叫ぶにあらざる一種の氣息を聞きたり。この氣息の響は我耳を襲ふよりは寧ろ我心を襲ひき。
石の迫持せりもちの下なる長き廊道わたどのみちには、書肆しよしあり珠玉店あり繪畫鋪あれども、足を其前に留むるもの多からず。
かくて姫は此世を隱れましゝなり。爾來そのとき尼院につらなれる廊道わたどのみちの前なる黒漆の格子あがりて、式の白衣を着たる一群の尼達現れ、高く天使の歌を歌ふ。僧官エピスコポスは姫の手を取りてたすけ起しつ。