庚子かのえね)” の例文
慶長庚子かのえねの関ヶ原は悲壮ではあるが、どちらも戦い得る器量だけに戦い、器量いっぱいに敗れたものと言いつべきだから、天下は帰するところに帰したもので
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
永正三丙寅と承安元辛卯、いずれも弥勒元年とするもその十年は乙亥きのとい庚子かのえねで辰の歳じゃない。
本玉ほんたまとかいふ水晶製の眼鏡の価たかきをもいとはで此彼これかれと多くあがなひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略、去歳こぞ庚子かのえね即ち天保十一年の)夏に至りては只朦々朧々として細字を書く事ならねばその稿本を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)