幺微かすか)” の例文
夜の静なるを動かして、かの男女なんによ細語ひそめきぬ。はなは幺微かすかなれば聞知るべくもあらねど、娓々びびとして絶えず枕に打響きては、なかなか大いなる声にも増して耳煩みみわづらはしかり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼方あなたもその幺微かすかなる声に語り語りてまざるは、思のたけ短夜たんやに余らんとするなるか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
女は幺微かすかなる声して答へけれど、打萎うちしをれて、なかなか立ちもらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)