幸木サイハヒギ)” の例文
正月の喰ひ積み、幸木サイハヒギ系統の飾り物には、盆棚と共通の意味が見られる。大晦日を靈の來る夜とした兼好の記述から見ても、正月に來り臨む者の特別な靈物であつたことが考へられる。
此点に於て削り掛け・ほいたけ棒・粟穂・稲穂・にはとこ・幸木サイハヒギなども皆同種のもので、延いては酉のマチの熊手も、御服の餅花から菖蒲アヤメ団子と反対に向いて、大きくなつたものと思はれる。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)